銀行の業務は特殊で、「他業界の採用担当者から銀行員の強みを理解してもらえなかった」と転職相談を受けるケースもあります。
そこで弊社では、銀行からの転職ニーズにお答えできるよう、銀行員の職種別(一般・営業・本部)自己PRで押すべきPointを詳細に分析してきました。
このページでは、弊社がこれまで蓄積してきた銀行員の転職で自己PRすべきPointを職種別ご紹介しつつ、強みを生かした転職先についてまとめております。
銀行員が自己PRすべきPointを職務経歴書や面接で押し出していきましょう。
銀行員の職種別(一般職・営業・本部)自己PR
銀行員の転職の強み年齢別からも分析することが出来ますが、この章では職種別の視点で自己PRのPointを詳しくまとめています。
一般職(テラー・事務職)
以下のようなポイントを参考にして、銀行員の一般職の職務経歴書や面接対策を行って行きましょう。
業務の正確さ
他の業界の方達と比較して、銀行の業務ではお金を扱うため、金額や期限でミスがあってはいけません。そこはPRしていくと良いでしょう。
私も窓口で研修していた時に経験しましたが実際に誰かが1円勘定が合わなかった事件があり、それによって全員が夜23時ぐらいまで支店に監禁されたこともあります。
それほど厳しい世界で正確な業務を行なっているんだという面白いエピソード話も交じえながら面接でPRするとより効果的です。
連携する力
一般企業の事務職は周りと連携を取れる人を好むことが多いです。
銀行員の事務は、目の前のお客さんだけでなく、社内の営業マンの持ち込んでくる案件の事務、事務センターとの連携、本部への問い合わせ、外部の業者との連携など、多くの利害関係者と仕事を一緒にしていますよね。
一般企業の人事は、銀行のテラーや事務社員が社内外含めて多くの利害関係者と仕事をしているということを知らない方も多いので、いかに周りを巻き込みながら仕事をしているのかという点を意識して、PRしてください。
対人能力&タフさ
多くの事務職で転職する方の傾向として「楽な仕事をしたい」という思考で転職活動をする方が多いのですが、銀行員の事務の方は、本心は違ったとしても「私はゴリゴリ働けますよー」という姿勢を面接の中で見せることは非常に有利に働くので絶対にやってください。
銀行の事務の方はクレーム対応をすることや嫌な上司に対応しないといけないことも多いと思います。
「対人能力の高さと精神的にもタフなんですよ。」というPRは多くの企業が事務社員に求めていることなので、銀行でのお客さんや上司との辛いエピソードも交じえながら話すことは常に意識してください。
・銀行員<テラー・窓口>の職務経歴書テンプレート | 自己PRのサンプル
営業(個人営業・法人営業)
ここを上手くPRできることが銀行員<営業>の転職の鍵になりますので意識してください。
営業の行動量
頭を使いながら営業しているのが差別化ポイントと言っておきながら、勘違いして欲しくないのがこのポイントです。
あくまでも銀行の営業マンが強みとして考えられるのは、しっかりと営業の行動量も担保しながら、年間の予算を達成するために営業の質をあげているのかという点です。その両方をバランスよく兼ね備えているのが銀行員営業マンの特徴なのです。
にもかかわらず銀行員の営業マンでよく勘違いしている人がいるのですが、「経営コンサルのレベル」で頭を使って仕事をしている風に話をする人です。
これは絶対に人事に好かれませんので注意してください。
目標から逆算した行動ができる
銀行の営業マンの良いところは、年間の融資や運用の予算に対して、しっかりと材料出しをしながら、不足予算を埋めるための動きができるというところです。
他の業界の営業マンは意外とその辺がおろそかで、自分の予算の不足分とかもあまりわからないまま、ただの数打ち営業をしているだけの会社が大半です。
予算を埋めるためにあなたがどのような工夫をしているのか(ex.法人営業だがあえてオーナー個人の節税のソリューションから提案した。ビジネスマッチングなどを通じて自ら金融イベントを起こしてきた。etc…)等のエピソードを交えることで、人事にも魅力的にアピールできると思います。
周りを巻き込む力
銀行員の営業の特徴の1つだと思いますが、自分の知識のない分野に対して、関連会社(リース、証券、ファクタリング,,,etc)や本部の人材、時にはビジネスマッチングなどお客様同士を巻き込んで、売上につなげていく力が必要とされるところにあるかと思います。
一般企業からすると銀行の営業マンのこの動き方は、とても面白く魅力的な動き方なので、周りを巻き込みながら利益を創出する力があることはアピールしていくと良いでしょう。
本部(管理・企画・推進・審査)
本部はやはり専門性を生かしたエピソードを話していく必要があります。
銀行の本部部署は、仕事が大きすぎて、一般企業では使いづらい能力が身についてしまっている人も多いので、何ができるのかという点を分解して伝える必要があります。
ジョブローテーション
邦銀の悪いところはジョブローテーションをしすぎて、キャリアがよくわからなくなることです。全ての業務であまり専門性が付いていない人は、逆にそのジョブローテーションをしていることで、ゼネラリストとしてアピールしていくほうが良いと思います。営業から企画・管理・推進まで幅広くできることをアピールしながら、応募企業でこんな風なことができるという話につなげていく戦略が良いでしょう。
業務の全体像を把握しておく
例えば銀行の経理部・財務部のような仕事だと、決算書を作るにしても1人の担当者が1つの勘定科目しか担当していないことも多いです。これが一般企業になると1人の経理担当者で、グループ会社の連結決算まで完結していることも多いですよね。銀行の本部機能は他の事業会社に比べて母体がでかすぎるのが、本部の銀行員は一般企業からすると使い勝手が悪いと思われてしまいがちです。なので、かならず自分の担当している業務の全体像をしっかりと把握しておくことが大事です。
PDCAをどう回しているか
複雑な業務をわかりやすく伝えられないというのは面接において致命傷なので、あなたの担当業務をわかりやすく説明する練習はしておきましょう。またそれに伴い、あなたの日々の業務のPDCAの回し方がどうなっているのか説明できるようにしておいてください。銀行の本部はある程度システムやマニュアルが整っていて、与えられたことをやっているだけで終わっている方も多いので、そのなかでも業務効率を改善するためにあなたなりに工夫してきたエピソードなどは用意するとアピールポイントになります。
・銀行員<営業職>から転職の職務経歴書のサンプルと自己PRの書き方
銀行員の職種別(一般職・営業・本部)転職先
一般職(テラー・事務職)
親和性の高い業種は以下です。やはり事務系の方が多いですが、対人能力を生かしてお仕事する人も多いです。
- 一般事務・営業事務
- 経理アシスタント
- 査定系の仕事(保険会社査定事務)
- 人事アシスタント
- カウンター職(住宅、旅行)
- 秘書
- 受付
営業(個人営業・法人営業)
無形商材の営業が多いです。稼ぎたい思考の人は外資の金融なども多いです。実は営業力のある方だと人事の採用のポジションなども銀行員は結構引き合いがあります。
- 無形商材の営業(人材・IT)
- ベンチャーのCFOや企画
- コンサルティング業界
- 人事
- 外資金融
- 経理・財務
- 海外転職
銀行から無形商材営業への転職を成功させた体験談は以下の記事を参考にして下さい。
本部(管理・企画・推進・審査)
人によります。営業系に戻る方もいれば、自分の今の職種で専門的にやりたいという方も多いです。海外転勤を機に、銀行をやめて海外就職をする人も多いです。
- 一般企業の管理・企画部門
- ベンチャー企業
- 無形商材の営業(人材・IT)
- 外資金融
- コンサルティング業界
- 海外転職
以上が銀行員の職種別の自己PRの強みと転職先です。銀行は異業界に転職しようと思うと浮世離れしている世界なので、他業界と比べて何が強いのかという点で参考にしてください。
最後に、銀行員の職務経歴書の書き方で悩んでいる時の対策は別記事で用意したので、参考にされて下さい。
まとめ
冒頭でもお伝えしましたが、銀行から転職する際に「転職って難しいな」と感じてしまう要因は2つあります。
1. 他業界の採用担当者に上手く銀行業務を理解してもらえるPRができないこと
2. 転職エージェントが金融業界について深く理解していないケースが多いため、業務を理解してもらえず、職務経歴書や推薦書類で浅いPRしかしてもらえないこと
最近は市場マーケットも開かれている為、銀行から転職が増加していますし、銀行員の第二新卒時期は異業種への転職、地銀から転職、女性行員の転職も行いやすいです。しかし正しいPRができないと、条件や待遇をかなり落として転職してしまうケース、銀行で身につけてきたスキルや経験を生かせず昇進ができないケースに繋がります。
今の銀行員というステータスを生かして、銀行員からの転職を成功させる為には、金融出身の転職エージェントに転職相談を行い、あなたがPRすべき強みを一緒に考えてもらうことをオススメします。
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