こんにちは、株式会社Youth Planet-編集部です。
弊社では、銀行からの転職に強い転職エージェントの1つですので、2018年に入って銀行員からの登録・相談がハイペースで増え続けています。
メガバンクから転職したい行員、地銀から転職したい行員など、銀行員の転職ムードは高まっているようです。メディアはマイナス金利の長期化によるメガバンクの構造不況、地銀の経営統合の波、AI活用による業務の見直し、フィンテックの台頭などを理由として挙げています。
しかし、転職相談の現場でヒアリングを行っていくと、銀行員の本音は別の理由(組織構造)であることが圧倒的に多いのが実態です。
銀行員から転職サービスへの登録者数は増加しているのか
銀行からの転職に強い弊社でも、例年に比べるとハイペースで銀行員の転職相談が増えていると冒頭でお伝えしましたが、大手転職エージェントでも同様に登録が急増しています。
日経新聞(web版 2018年5月12日)では、doda(パーソルキャリア)への登録者は前年比19%増・対全体で6%増、リクルートでも33%増の数値を叩き出していることがピックアップされていました。
転職サービスへの登録者の詳細
年齢の詳細
弊社では、銀行員の第二新卒期から転職相談数が増えてきています。
また大手転職エージェント調べでは、転職サービスに登録した銀行員の年代別は以下の通りです。
(引用:https://www.saiyo-doda.jp/report/3412)
転職サービスに登録した銀行員の年齢の詳細を見ていくと、第二新卒期と30歳前後の転職相談が全体の67%も占めており、20代のうちに転職を行う銀行員が多いことが数値として現れています。
(後述しますが、第二新卒期の方は異業種へ希望する傾向が強く、入行5年目以降の方は転職サービスに登録して転職活動をするものの、内定を辞退する傾向が強いです。)
職種の詳細
大手転職エージェント調べでは、転職サービスに登録した銀行員の職種別の詳細は以下の通りです。
(引用:https://www.saiyo-doda.jp/report/3412)
営業職が56%を占めており、その中でも「リーテル営業職」の登録者が最も多く、次いで法人営業職の行員が多いとのことです。
銀行員の転職が増加している理由
銀行員の転職が増加している理由は、銀行の組織が古い体質であることに耐えられなくなったことで転職を考え始め、銀行員も他の業界へ転職がしやすい時代に突入したことで今のうちに転職をしようと決意を固めるからです。
銀行員の転職が増加している理由に、「マイナス金利の長期化によるメガバンクの構造不況」「AIの活用による業務の見直し」「フィンテックの台頭による環境変化」など挙げられていますが、これらを不安に思い転職活動を始める方は一部の行員です。
実際に銀行員と話すと、本心は「やりがいを持てないこと」「パワハラで精神が崩壊寸前」「お金を扱うのでストレスが大きい」など、5~10年前の銀行員が嫌だと思っていることが、今でも転職理由として上がってきます。(銀行の組織構造が今も昔も変わっていないことが分かりますね。)
そして、1.転職市場全体が活発であり有効求人数が増えている、2.昔に比べると銀行員も未経験のポテンシャル枠と即戦力枠の両方で転職をしやすい時代に突入し、転職に対するハードルが下がってきていることを敏感に感じ取り、今のうちに銀行から抜け出したいと考えているのです。
別のページで、「銀行員の転職に関する事例」を具体的に作成しました。
銀行員が転職を考える3つの節目
銀行員が転職をしたいと考えるタイミングは3つに別れています。
・第二新卒期(異業種へ)
・出世レース期(金融業界へ)
・出向期(取引先へ)
第二新卒期
銀行員の第二新卒期は、銀行の古い組織構造に嫌気がさして転職を考え金融業界から異業種へ転職する方が多いです。
「この時代で感情論で怒る人や手が出る人がいて嫌だ」「評価制度上、失敗しないことばかり考えて仕事をするのがつまらない」「お願い営業にやりがいを持てない」「支店長が神様でストレスが強すぎる」
このような理由で金融業界から転職を考える方が非常に多いです。確かに、銀行は家族や友人など、外部の人からは理解できないストレスが沢山あり、周囲に理解されず耐えられなくなる方も多いのが現実です。
出世レース期
銀行によりますが30歳前後で出世レースに巻き込まれていきます。銀行の出世レースは過酷で、1年でも遅れてしまうと巻き返すことが難しいと言われ、レースで出遅れた人は転職を決断していきます。
また、出世レースで問題になるのが学歴です。出身大学により人事評価の加点が異なります。⑴上司評価 ⑵所属部署 ⑶学歴 の3点を中心に評価される為、学歴を理由に転職を考える方もいます。
さらに、順調に出世が出来本部へ異動できた人でも、異動先では下っ端で業務にやりがいを持てなく転職を考える方もいます。
出向期
出世レースで勝ち残った銀行員も、最後まで銀行員として働けるのはほんの一握りと言えます。大半の銀行員は40歳以降で関連会社への出向や転籍の事例が下り、原則銀行へ戻ってくることができません。
出向先で年収が大きく下がったり、出向先に馴染めす嫌気がさして転職を考える方もいるようですが、銀行の福利厚生が充実している点で転職を思い止まり銀行員を続けていく方が多いです。
銀行員からの転職は早い方がいい!?
銀行員からの転職が増えている中で、実は使えない元銀行員がたくさんいることがバレてきてしまっているのも事実です。
銀行の中でハンコをもらうために上司の顔色を伺いすぎる癖がつき、自分の仕事ができない元銀行員が多くいるため、「元銀行員って採用しない方がいいよね」という企業もあるとか。
銀行員からの転職を考えているのであれば、この風潮が広まらないうちに転職をおすすめします。
銀行員から異業種への転職も増加している
銀行員の転職では、第二新卒期の特徴ですが、ポテンシャル枠を生かして金融以外の業界へ転職する方が多いです。
下グラフは日経新聞(2018年5月12日 web版)の情報ですが、2009年度と比較すると48%が金融業界内の転職でしたが、17年度には29%まで低下しています。一方でコンサルティング業界・建設・不動産・機械等のメーカーへの転職が増加していることがわかります。
弊社でも、第二新卒時期の銀行員の方は異業種への転職を強く希望されている方がほとんどです。また、30歳前後の方でも異業種への転職はPR方法さえ理解すれば可能ですが、年収面を考慮し金融業界への転職を希望される方が多いです。
銀行員の転職先
銀行員の転職先としてまずあがるのがコンサルティングファームです。銀行員の性格と相性がよく、銀行での経験がコンサルティングにも活かしやすいためです。
また、銀行員から大手ベンチャーや日系大手メーカ-への転職も多いようです。
増加を理由に銀行を転職した方が良いのか
一番重要なことは、あなたが転職活動をしたいのか深く考え、十分な転職情報を元に準備することです。
周囲では銀行から転職を成功させている人が増えてきているかも知れません。しかし、周りに流されて安易に転職活動をしてしまうと十分な情報がないまま転職してしまい、転職後に銀行を辞めたことを後悔することに繋がります。
また、30歳前後転職では家族・嫁ブロックがあるので、固い意志や転職後の年収を上げていくプランを準備する必要があります。
最後に・・・
繰り返しお伝えしますが、銀行からの転職ムードが高まって転職する人が増加していますが、転職を決断するのはあなたです。
しかし、転職相談を受ける側の意見としては、一度”転職”の言葉が頭を過ぎると「第二新卒期」「出世レース中」「出向後」に転職を考えてしまい、転職活動をしていなかったことを後悔してしまう銀行員が多い為、転職活動だけでも行うことをオススメします。
転職活動を行うことで現状のあなたの選択肢を知ることができ、検討することができるので転職するにしても、転職をせずに銀行で働き続けるにしても、納得して今後の人生を過ごしていけると思います。
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