結婚や出産を機に、いったんは育児に専念するために家庭に入った女性でも、子供に手がかからなくなったところで、金銭面で家庭を支えたいと再就職を目指す主婦の方は多いのではないのでしょうか。
しかし、仕事から離れていたブランクが長ければ長い主婦ほど、再就職への不安は大きくなり、なかなか社会復帰への一歩が踏み出せないものですよね。
確かに、簡単だとは言い難いブランクがある主婦の再就職ですが、専業主婦としてブランクを経ても再就職を果たす主婦は年々増えています。
実は今、社会経験もあり、ブランク期間中も妻として母として会社とはまた違った人間関係や家計のやりくりなど様々な経験を積んでいる主婦は新たな戦力として注目されているのです。
今回は、ブランクのある主婦が社会復帰を果たすために、知っておくべき主婦の再就職市場や、ブランクのある主婦が再就職のためにするべきことをご紹介していきます。
この記事を読んでいただければ、ブランクのある主婦でも再就職へ希望が見出せるかもしれません。
ブランクのある主婦の再就職市場
ブランクのある主婦の再就職は難しいというイメージですが、近年主婦層の再就職市場での価値が上昇中なのは、ご存知ですか?
現代の日本は慢性的な人手不足であり、主婦を戦力化することで労働力人口を確保せざる負えない状況です。
グラフを見ていただけるとわかるように、主婦の社会進出が進み、共働き世帯が年々増加しています。
また、主婦層を労働力で確保するために、企業側も「パートタイム型派遣」や「超短時間勤務」など主婦が働きやすい雇用スタイルを設けるなどの取り組みを行っており、主婦の社会復帰を後押ししています。
厚生労働省のデータを見ても、年々短時間労働者の割合は増加しており、その中でも女性の割合が大半を占めていることが分かりますね。
ブランクがある主婦が再就職するメリット
ブランクのある主婦が再就職するメリットは主に以下の3つです。
- 世帯収入の増加
- 社会との繋がりができる
- 1,2からライフスタイルがより充実する
ブランクのある主婦が再就職することの最大のメリットは収入の増加です。日常生活にプラスαで贅沢ができたり貯蓄を増やすこともできます。
また、主婦の「社会」はどうしても家の中やママ友間までで留まってしまいがちですが、仕事をすることで社会が広がり世の中のことにより興味を持つようになったり、新たな人間関係を構築することができます。
このように収入が増え社会が広がることで、家族にとってもいい刺激になりライフスタイルの変化も期待できます。
ブランクのある主婦でも再就職は可能?
主婦の社会復帰は増えているとはいえ、ブランクのある主婦でも再就職は可能なのか不安が残るところです。
実は、近年では家庭に入る前の職務経験に加え、ブランク期間があっても、ブランクの間に主婦や母親としての経験やコミュニケーション能力をプラスに捉える企業が増えてきているのです。
ブランクのある主婦の転職における強みとは
ブランクのある主婦が転職に成功するには自分の強みを理解しておくことも重要です。
ブランク間に培った汎用性の高いスキル
専業主婦になった女性は、仕事のしていなかった時期を何もしていない期間と捉えがちですが、実はその間にも会社での経験とは違った経験をいろいろしているのです。
主婦の再就職にはブランク中の経験こそが強みになります。
貯金をするために家計簿をきちんとつけてきた、家の中を清潔にすることに力を注いでいたなどそのこだわりや経験が、ブランク期間に培ったスキルとなります。
ブランク期間には、会社で身に付くパソコンのスキルとは違って、いろいろなヒューマンスキルが身につけてきたはずです。その点をしっかりとまとめて、仕事にはどう活かせるか、言葉にしてみることで自分だけの強みにも気づくはずです。
前職で培った専門性の高いスキル
ブランクがあっても前職で専門性の高い仕事を行なっていた場合、そのスキルはブランクを経たあとでも再就職の大きな強みになります。
また、専門知識を有する資格もアピール材料になり得ます。
ブランクがある主婦の再就職後の働き方
ブランクがある主婦の正社員としての再就職は簡単なものではありません。
仕事と子育てや家事を両立しなければならない主婦にとっては働き方はよく考えて選択しなければなりません。
ブランクのある主婦の再就職では正社員だけでなく派遣社員や契約社員などの非正規雇用での働き方も視野にいれておきましょう。
ブランクがある主婦の正社員への再就職
ブランクがある主婦が正社員で再就職をするのは簡単ではありませんが、正社員での再就職のメリットはなんといっても金銭面での安定です。
パートナーの扶養を出る金額を稼ぎ、家庭を支えたい主婦におすすめです。しかし、その分労働時間は長くなりますし、求められる仕事への責任も大きくなります。
ブランクのある主婦におすすめの企業が中小企業とベンチャー企業です。
こういった企業は教育にあまり力をいれられない傾向にあり、社会人経験がある主婦なら、基本的なスキルはある程度期待できるので採用されやすいでしょう。教育の手間を省き、勤務する企業の業務内容さえ把握すれば即戦力として働ける人材なら、歓迎する企業がたくさんあります。
契約社員や派遣社員から再就職をするのも一つの手
ブランクのある主婦は正社員としての再就職にこだわるのではなく、まず、契約社員や派遣社員での再就職を目指すのもよいでしょう。
正社員と違い、契約社員だと仕事内容もある程度限定されており、給与は正社員と比べると減少するものの、勤務時間などの融通が利きやすいです。
最近では、在宅で家事や育児をしながら働ける在宅ワークを選ぶ主婦も増えてきているようです。
あくまでも正社員での再就職を目指すのであれば、まず非正規雇用で再就職をし、社会人としての感覚を取り戻しながら社会経験を積み、正社員登用や正社員転職を目指すという方法もあります。「【女性の転職】契約社員から正社員に転職すべき理由と転職成功術」も参考に働き方をあなたに合った働き方を選択してください。
ブランクがある主婦向けの再就職支援
ブランクがある主婦が少しでも好条件での再就職を目指すためには、自治体や大学が行っている再就職支援の活用をおすすめします。
大学主催の女性向け再就職講座
ブランクのある主婦の再就職支援で近年大学主催の女性向け再就職講座が増えてきています。
大学で学ぶの?と驚く方もいるかもしれませんが、実は少しずつ増加する傾向にあり、受講者も年々増えています。必須項目もPCのスキルなど、とことんビジネスの現場で必要なもので、すぐに生かせるスキルばかりです。
また、大学主催の再就職講座を受講した方のみに公開される独自求人があります。どのようなスキルが身についている人か分かっているために、求人も一般求人より有利となります。そのためこういった大学主催講座を終了した主婦の中から多くの再就職者を輩出しています。
自治体が行う再就職講座
大学主催の再就職講座は良いものですが、それなりにお金がかかりますし、通学が難しい女性もいるでしょう。そういった人におすすめなのが自治体が行っている再就職講座です。
自治体主催の講座は基本的に無料で行われており、託児施設も完備されていたりします。また、地域に直結した求人紹介もあり、転職先を探すのにもとてもお勧めです。
ブランクのある主婦が再就職を成功させるための秘訣
ブランクのある主婦が再就職を成功させるための秘訣を4つのポイントにわけてご紹介します。
自己分析
まず、ブランクのある主婦が再就職を考える場合に必要なことが「自己分析」です。
自己分析では、どんな仕事がしたいのか、いつからどのような周期で働きたいのか、どこで、どのような勤務体制ではたらくか、なんのために働くのか、など具体的にまとめてください。
また、前職の経験や培ったスキルを活かして正社員で復職したいといった方は、この自己分析を加え、キャリアの棚卸までしておく必要があります。
再就職にあたっての優先順位の設定
自己分析をしたら、次に必要なのは自分の希望の優先順位をつけることです。
ブランクのある主婦の再就職では、すべての希望が叶う条件を満たす企業に出会うのは難しいためです。自分にとって完璧な職場を探すのは非常に困難です。
自己分析を踏まえて自分に最も必要な条件から順位をつけておくことで、それに見合った就職先を見つけやすくなるでしょう。
応募書類の作成
ブランクのある主婦にとってはまず書類選考を突破することが第一関門になります。
応募書類の準備に関して、主婦の方に特に気をつけていただきたいのは以下の5つのポイントです。
履歴書は使い回しをしない
前に受けた求人先が落ちたからといって、履歴書をそのままもう一度使用するのはやめましょう。
意外とやってしまう方が多いかもしれなせんが、履歴書は応募先の企業に合わせて一つ一つ書くことをお勧めします。
家庭の事情などはほどほどに。再就職への前向きな姿勢をアピール
履歴書で家庭の事情を鑑みて、希望条件ばかり記載するのはやめましょう。募集企業側から、本当に働く意思があるのかと、疑われてしまいます。
できない条件ばかり書くのではなく、自分でできることを積極的にアピールすることで、再就職に前向きさをアピールすることができます。
職歴はブランク中の経験も記載
職を離れていた期間はブランクと捉えがちですが、この間もさまざまなことを経験してきたと思います。些細な経験でも構わないので履歴書にも明記しましょう。
主婦業の合間にPTA活動や町内会、地域ボランティアなど社会と関わる活動をした場合は職歴所に記載しましょう。これもコミュニケーション能力があると判断される材料になります。
応募先企業の求める人物像に寄せる
応募する企業がどういった人材を求めているか分析してみましょう。そして、それに寄せた人物像にすることで採用されやすくなります。
例えば、事務職の応募であれば、家事を多数こなすようになったために時間管理能力が備わったので仕事にも生かしやすいなど、応募したい企業が、どういった人材を求めているか把握し、求めてる人材だと判断してもらえるようアピールしましょう。
履歴書の写真は第一印象を決める重要なポイント
履歴書の写真で企業のあなたの第一印象が決まると言っても過言ではありません。間に合わせではなく、しっかりとシャツを着て仕事モードで撮影しましょう。
これはパートであってもです。もし、正社員や派遣社員であれば、ジャケット着用がお勧めです。メイクや髪型もきちんとまとめてるものがなお望ましいです。
ここまで履歴書をすべて完成させられたら、一度ハローワークなどにもっていってプロに助言してもらうと良いでしょう。
面接対策
履歴書ができたら、次は面接です。
主婦の方にはコミュニケーション能力に長けている女性が多いので、面接は緊張しすぎず、自信をもって臨みましょう。
また、面接での会話は、主婦の方なら会話能力が高いことが多いので心配ないのですが、ビジネス会話にするように完結に話すように心がけましょう。そして前向きな姿勢を積極的にアピールするようにしましょう。
第一印象が肝心!服装マナーに気を付ける
面接では、なんといっても印象が大事です。服装には間違っても普段着ではなく、シャツかジャケットで挑みましょう。
転職や再就職での女性の服装マナーについては「女性が転職面接で好印象を与える服装と身だしなみマナーを完全攻略!」で詳しく解説していますので、こちらをご覧ください。
質疑応答への回答の準備は万全にしておく
面接ではブランク期間中のことや主婦業に関しても様々な質疑応答がされますが、緊張して話せなくならないように、またマイナスな発言を誤ってしてしまわないように万全の準備をしておきましょう。
どういった質問がされるか予想し、答えを用意しておくことです。例えば、残業ができるかどうか、子供の行事と仕事が重なったときはどうするかなどです。ある程度は予測することができますので、それに答えられる準備をしっかりとして面接に備えましょう。
ブランクのある主婦の味方になるのは転職のプロ
もし、ブランクがある主婦で再就職を考えているものの、不安で一歩踏み出せないという方がいれば、転職のプロである転職エージェントに相談してみるのが良いでしょう。
転職エージェントは現在の転職・再就職市場にも詳しく、主婦のあなたにも合った働き方や、主婦に理解のある企業の求人紹介もしてくれます。
ブランクのある主婦におすすめの転職エージェント3社
以下にブランクのある主婦にもおすすめの転職エージェント3社をご紹介します。
相談は無料なので、再就職を考えているだけの方でも転職エージェントのサービスを利用してみてください。
リクルートエージェント|業界No.1の転職サポート実績
業界最大手で売上・転職決定数・求人数・登録者数共にNo.1を誇るリクルートエージェントは幅広い世代・業種に対応した質の高い求人数を多く保有しています。
雇用形態や勤務先などより多くの選択肢から転職先を吟味したい方におすすめです。
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また、在籍する転職エージェントは自社研修を受けていますので、担当者に当たりはずれが少なく、安心してまかせられる転職エージェントです。
パソナキャリア|女性の転職には欠かせない転職エージェント
「パソナキャリア」は、大手転職エージェントの中でも特に親身で、女性からの評判が非常に高い総合転職エージェントです。
「パソナキャリア」は全体として『女性活躍推進』を大々的に打ち出しています。
実際に女性向け転職の分野では多くの表彰があったり、人材企業としては珍しく女性社員の比率が多く、管理職も半数が女性で、社内外を含めて女性活躍に真剣に取り組んでいます。
希望をすれば、女性のキャリアアドバイザーに担当してもらうことも可能なので、女性の事情について理解をしてくれ安心して相談することができるため、女性に必須の転職エージェントです。
まとめ
今回はブランクがある主婦の再就職について解説してみましたが、いかがでしたでしょうか。
確かにブランク後の主婦の社会復帰には様々な不安がつきまとうでしょうし、何より家事や育児と仕事の両立は決して簡単なものではないです。
しかし、社会人としてのブランクの間、主婦として家族のために家庭を支えてきた経験は、社会復帰した後もきっと役に立つはずです。
また、あなたが社会復帰することは家計の支えになるだけでなく、あなたにとって新たな生きがいになるかもしれません。
このページを参考にブランクのある主婦でも前向きに再就職を検討し、社会復帰を叶えることができるよう祈っています。