私は新卒で前職の企業に入社し、4年間営業職に従事していました。学生時代ずっと飲食店でアルバイトをしていたので、対人スキルには自信があり、自分の長所のブラッシュアップしたいと考えていたのと、どうしても一日中デスクに座った黙々と作業するといったことが向いてないと思っていたので、営業職を志望していました。
その職場を選んだのは、本当に些細なきっかけで、単純に就職活動で一番に内定を頂けたというのもありますが、「この業界ではここ」と名前が挙がるくらい誰もが知っている企業だったので、即決で入社を決意しました。
仕事はやりがいはあったが、基本給14万円+歩合の安月給
営業職には多いと思いますが、私の職場も基本給は低め(月14万円)でしたが、最初のうちはそこに営業手当が上乗せされ、2年目に入り、だいぶ成績を上げれるようになった頃には営業手当はなくなり、完全歩合で上乗せしてもらえる形でした。
それからは自分の努力の成果が目に見えてわかることで、達成感がありましたし、それがモチベーションになりました。また、もともと人と接することが好きだったので、取引相手の方に喜んでもらえるのは仕事のやりがいになりましたし、そのために自分の時間を割くことも苦ではありませんでした。
時間外手当なし、休日出勤あたりまえ
しかし、やはり成績を上げるほど私に課せられるノルマも厳しくなり、それを達成するために、残業や休日出勤は増えるばかりでした。しかも、会社側としては残業も休日出勤も強制したものではなく、あくまで私の意思でしたことなので、業務とは認められず、時間外手当は出せないとのことでした。
結局、お給料もある程度まで上がれば、歩率は頭打ちで、仕事をすればするほど、仕事量と比較してお給料も割に合わないと感じるようになりました。
もちろんプライベートなんてないのも同然です。来る日も来る日も仕事のことだけを考えて生きていたような感じでした。
パワハラ部長、自分のミスは部下のせい
営業という職業柄か同じ部署の社員はお互いいい意味でライバルのような関係で、切磋琢磨し合い、良い関係を築けていたと思います。人柄の面でも成績の面でも尊敬できる先輩もいました。
しかし、上司にはあまり恵まれていなかったと思います。「部下の業績は自分のもの、自分のミスは部下のせい」といった課長に、自分は仕事をせずに座っておくだけなのに、部下の些細なミスを見つけては他の社員の目の前であろうと罵倒しストレスを発散する部長。
正直、「こんな低レベルな人間の下で働かなければいけないなんて惨めだ」と感じていました。
人生観を変えた、尊敬する先輩の転職
入社後4年目に入ったころ、尊敬していた先輩の一人が転職をされることになりました。成績もよかったし、日頃から愚痴などあまり言う人ではなかったので、会社に対する不満とかも、聞いておらず、いきなりの報告にびっくりしました。
それまで私は、自分の父親がそうであったためというのもありますが、「男は一度就職したらそこで生涯尽くすもの」だと古い考えがあり、「一生ここで人生終えるしかない」と諦めていて、「転職」という言葉を考えたことすらありませんでした。
しかし、この頃残業や、上司からのストレスで心身ともに病みかけていた私は、この先輩の転職をきっかけに、明るい人生への道が開けたような気がしました。
ブラック企業での経験と実績を活かし転職。
それから約1年後、現在の職場に転職しました。いざ、「退職します」と伝えると、それまで機嫌のいい時しか話しかけても来なかった上司たちの必死の引き留めに合いましが、そこはきっぱりと断りました。
現在も同じ営業職についています。前職と違って、営業事務が付かず、営業以外の書類整理や契約書の管理などの仕事は増えましたが、また新たなことを学び、自分のスキルアップにつながっている実感があり、やりがいを感じています。
また、労働規約が厳しくなったのもあり、会社の方針として残業は基本的にほぼなし。19時半過ぎと休日には電気系統を切っているので、時間外労働は全くありません。
ですが、お給料は前職での経験や実績も考慮して下さり、基本給が前職の1.5倍で+歩合制度、ボーナスは年2回で4カ月分としっかり貰えるので、おかげさまで、プライベートもとても充実した日々を送っています。
今となってはあの時「転職」ということを思いつかなければ、自分の人生どうなっていたのか、考えただけでも恐ろしいです。あの時のちょっとした決断と行動で私の人生は180度変わりました。