こんにちは。株式会社Youth Planet -転職エージェント編集部です。
今回ご紹介するのは「有給休暇」についてのご相談です。
私の勤め先は全部で30人ほど、社長の同族役員もいるよくある中小企業です。
社長の考えでは「有給休暇=さぼり」みたいで、必要なときでもかなり取りにくい社風です。その上、社員旅行を平日に計画して勝手に有給休暇にされていました。
皆さんどう思われますか?
(30代 男性 Aさん)
今正社員として五年務めている会社で社長に有給休暇を取りたいと言っても、今まで他の人にも取らせたことは無いので不公平だからダメだと言います。同じような経験をした方、どういった行動を起こしましたか?
また詳しい方、どうするのが1番でしょうか。
(20代 女性 Bさん)
厚生労働省の「就労条件総合調査」によると平成29年度の有給取得率は51.1%で付与されている有給休暇の半分ほどしか取得できていないという結果でした。これは世界的に見てもとても低い水準で、日本の有給休暇取得率は世界ワースト1位を記録しています。
就職や転職する際の雇用条件には「有給休暇制度あり」となっていても、実は有給なんてものはあってないようなもので、有給休暇を取れない、または取りづらいといった会社が多いのが現状です。
相談者Aさんの会社の社長のように「有給休暇=さぼり」と考える上司も多いのもその理由の一つでしょう。
しかし、有給休暇は労働者に与えられた権利であり、逆に言うと有給休暇取得の容認は会社の義務でもあるのです。
今回は国の定める有給休暇の定義を改めて解説するとともに、有給休暇の取れない理由と有給休暇が取りにくい職種、また、有給休暇を取れない時の対処法を解説し、AさんBさんのように有給休暇を取れないで悩んでいる方の悩み解決のヒントになればいいなと思います。
有給休暇は労働者の権利
有給休暇の取得は労働者の権利であり、労働基準法でも以下のように定められています。
使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
本来、「有給休暇が取れない」なんてことは違法ですし、あり得ないことなのです。
労働者に与えられた権利を有効に行使するためにも、まずは有給休暇の日数や有給休暇の取得についてきちんと確認していきましょう。
有給休暇の日数
有給休暇の日数は、勤続年数に応じて変動します。
勤続期間 | 発生有給日数 |
6ヶ月 | 10日 |
1年6ヶ月 | 11日 |
2年6ヶ月 | 12日 |
3年6ヶ月 | 14日 |
4年6ヶ月 | 16日 |
5年6ヶ月 | 18日 |
6年6ヶ月 | 20日 |
7年6ヶ月 | 20日 |
労働基準法第39条により、入社日から6ヶ月経過し、全労働日数の8割以上出勤していれば、労働者には10日間の有給が与えられます。
さらに最初の有給発生タイミングから1年後には11日の有給が与えられ、そこからさらに1年後には12日の有給が与えられます。入社後6年6ヶ月までは年間の有給日数は年毎に増え、年間最大20日間の有給が発生し、7年6ヶ月以降は20日間の有給が付与され続ける仕組みとなっています。
有給休暇は翌年繰越可能
有給休暇は発生した翌年まで繰越することが可能ですが、有給休暇は発生から2年で時効を迎えて消滅するため、労働者は最大2年間分までしか有給をキープすることができません。これは就業規則によるものではないため、どの会社に勤めていても当てはまります。
また、「会社が有給を買い取る」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、会社により有給の買取は労働者の合意があっても、原則違法です。
しかし、2年の有給消滅時効までに消化できなかったもの、退職日までに消化できなかったもの、法定日数を超える有給日数を付与されている場合には、特例として買取が認められる場合もあります。
ただし、上記の例に当てはまっていても、企業と労働者の合意次第のため、必ずしも買取をしてもらえるというわけではないことを理解しておきましょう。
有給休暇の付与は会社の義務
労働者には有給を取得する権利があり、その一方で会社には、有給休暇を労働者が利用したいと思ったタイミングで与えなくてはいけないということが労働基準法で定められています。
会社側の勝手な都合で、労働者の有給取得を拒否することは基本的には行ってはいけません。
ただし労働者が有給休暇を請求した時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、会社が他の時季に有給休暇を与えることができる”時季変更権”が労働基準法に定められているため、繁忙期の有給休暇の取得は要相談になります。
また、会社は有給休暇の取得の有無によって、仕事の評価や、ボーナスの査定を行うことも禁止されています。
有給休暇を労働者に与えることは会社の義務として労働基準法に定められているのです。
有給休暇を取れない理由
有給休暇は法律で定められた、労働者が取得する権利がある休暇であると説明してきました。
では、なぜ「有給休暇を取れない」と悩む人が多いのでしょうか?
その理由にあげられる3つの主な理由と、有給休暇を取りにくいとされる職種をご紹介します。
有給休暇を取りづらい社風
有給休暇を取れない理由として最も挙げられるのが、社風です。
周りの人が滅多に有給休暇を取らないから、有給休暇を取ることで仕事に対するやる気がないのではないかと思われるから、等周りの目を気にして有給休暇を取りたいけど取れない人が多くいるようです。
有給休暇の取得が推奨されている会社もありますが、職場の雰囲気に合わせてしまい、なかなか有給休暇を100%消化している人は少ないでしょう。
上司が許可してくれない
有給休暇取得を申請しても、そもそも上司に許可して貰えないという人もいます。
先述した通り、有給休暇の申請は原則として拒否をしてはいけません。
しかし現実に、有給取得の理由や、仕事の進捗状況によって申請を認めない上司は一定数存在するようです。
仕事が忙しすぎる
仕事が忙しすぎるために有給休暇を取得できない場合もあります。
休むことで仕事が終わらず、かえって日々の業務の負担になってしまうのです。本来であれば、有給休暇取得を視野に入れて日々の仕事に取り組むことが理想ですが、なかなかうまくいかないのが現実のようです。
有給休暇が取れない職種
「卸売業、小売業」「生活関連サービス業、娯楽業」「医療、福祉」「宿泊業、飲食サービス業」では有給休暇の取得率が低い傾向にあります。特に、中小企業ほど有給休暇は取りにくくなっています。
上記の業界では、今後も有給休暇を取得できる可能性は低いため、将来を見据えて他の業界への転職をすることも一つの手かもしれません。
有給休暇が取れない時の対策
ではもし、「有給休暇は撮れない」と言われた時、どのような対策方法があるのでしょうか?
具体的な対策としては以下の4つが考えられます。
- 時季変更の相談
- 労働組合を作って交渉する
- 外部の労働組合に参加する
- それでも有給休暇が取れない場合は転職すべき
時季変更の相談
使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
先述した通り、有給休暇の付与は会社の義務です。ただし、会社の事業が忙しい場合などはこれを断ることができ、労働者に対し時季変更権を(有給取得時季の変更を相談できる権利)行使できます。つまり労働者には、一度断られてしまっても忙しい時期でさえなければ有給を取得する権利があります。
もし忙しいこと理由に申請を拒否された場合には、「いつであれば有給取得が可能か」を上司に直接確認することで、申請が通りやすくなります。
労働組合を作って交渉する
労働組合を作り、団体で有給休暇取得を交渉する方法もあります。
労働組合は2名以上の加盟者が居れば成立するため、1人では交渉できない事でも労働組合から交渉してみましょう。経営側は労働組合からの交渉を拒否できないという決まりがあるため、スムーズに話し合いの場を設けることができるでしょう。
有給休暇の取得だけでなく、労働条件全般の改善も見直すことができるため大きなメリットを得られるチャンスです。
外部の労働組合に参加する
社外にも労働組合があるので、そこに個人で加盟することもできます。
社内に一から労働組合を作るよりもハードルは低いですが、団体によっては支援のレベルが異なるため不安な点もあります。労働組合として機能していて、しっかりとした実績のある組合に加盟する必要があります。
それでも有給休暇が取れない場合は転職すべき
有給休暇取得は労働者の権利です。上司に交渉しても、労働組合を立ち上げても有給休暇を認めてもらえない場合には、転職を視野に入れた方がいいかもしれません。
有給を取りやすい風土の職場は増えていますし、福利厚生の良い会社もあるため今の職場にこだわる必要はないのです。
有給休暇が取れない|有給休暇取得可能な会社へ転職しよう
いろいろと対策をしても有給休暇が取れない場合は転職するのも一つの手です。
現在、少しずつ有給休暇が取りやすい社風の企業も多くなってきていますので、転職してより良い条件の職場を探すとよいでしょう。
しかし、ここでしっかりと情報収集をして有給休暇が取れる企業を見極めてから転職をしなければ、転職しても結局また同じことで悩んでしまうことになるので、転職活動は慎重かつ効率的に行う必要があります。
有給が取れる会社の見極め方
一般的に、以下の特徴がある会社は比較的に有給休暇を取得しやすい傾向にあります。
- 労働組合がある
- 各種手当てがある、年間休日が多い、平均残業時間が少ない
- 女性が活躍する職場をPRしている
- 成果重視の大手企業とそのグループ
この特徴に注目しながら、会社の雰囲気を面接などで実際に確認すると良いでしょう。
反対に、古くからの年功序列や終身雇用が絶対というような企業や、仕事が忙しすぎる中小企業やベンチャー企業、サービス業などはなかなか有給を取得できないと言われているため、転職の際には注意が必要です。
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まとめ
今回は相談者Aさん、Bさんのように有給休暇が取れないと悩む方たちのための職場改善方法を解説してきました。
有給休暇が取れないと悩んでいる方は、無理に今の職場にこだわることはありません。
思い切って転職してよりよい条件の職場で新しい生活をスタートしてみてはいかがでしょうか。
また、今すぐ転職するつもりが無い方でも転職エージェントに相談することで、他社の職場環境についてだけでなく、あなたの職場の現状についての客観的なアドバイスがもらえるので、あなたがよりよい生活を送る上で有益であると言えます。
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