こんにちは、株式会社Youth Planet代表、 転職エージェント堀田です。
転職面接でよく悩む質問は、「転職・退職理由」の伝え方のようです。
まず、下記に3つの良くある事例があるのでみていきましょう。
▼他責1-1 金銭面的理由
転職の面接にて退職の理由をどのように言えば良いか分かりません。現職は周囲の人に恵まれていますし、仕事内容もキツいものではありません。でも、月給が少ない上に昇給も賞与も無かった為、自分の将来に金銭面での不安を感じて転職をしようと考えています。ハッキリ言って給料以外での退職理由がありませんし、無理に退職理由を作ってみましたが薄っぺらくなってしまいました。しかし大学の先輩には、退職理由で給料の事は言わない方が良いと言われ困っています。アドバイスを頂けると幸いです。
▼他責1-2 人間関係の理由
現職での人間関係で嫌気がさしていて、毎朝会社に行くのが嫌で仕方ありません。転職希望先の面接を控えていますが、退職する理由を聞かれたらどう答えれば良いでしょうか?正直に、人間関係に嫌気がさしてしまってと伝えて良いものでしょうか?
▼他責1-3 業務に不満がある理由
テレアポをしています。根性がないですし、気楽にやればいいとは分かってはいるんです。嫌々な毎日のせいなのかノルマには遠く及ばず、毎日上司から言われる日々です。毎日ノルマに縛られて嫌になりましたし、ノルマ制が本当にお客様のためになっているのか分からなくなりました。人間関係は悪くないのですが、テレアポの仕事が本当に嫌になってしまって会社を辞めようと思いました。1週間後に転職の面接があるのですが、退職する理由は正直にノルマが嫌だったからと伝えて良いのでしょうか?
しかし、このような理由を素直に面接官に伝えてしまうと、90%以上は不合格になる可能性があります。
理由は、退職・転職理由がネガティブな理由の方は入社後すぐに会社を辞める可能性が高いと判断されるからです。
マイナスな印象を与えてしまうのは分かるけど、ポジティブな退職理由が分からない!という方も多いのではないでしょうか?
退職理由のウソはバレます!ウソNGの理由3選
まずは注意して欲しいことは、退職の理由がないのでウソの話を作ってしまうことです。ウソNGの理由は以下の3つです。
- 面接でのウソはバレる
- 正直に話そうとする姿勢は印象が良い
- 面接でのウソはトラブルの元?
1. 面接でのウソはバレる
私自身大手IT企業の面接官も経験しており、年間何百人もの方と面接を行なってきましたが、実際にウソの話をするとき「不自然な話し方」や「話のつじつまが合わない」ためすぐに話を作ってきてるな・・・とバレてしまいます。
2. 正直に話そうとする姿勢は印象が良い
よく、企業の人事の方とも話すのですが誠実に、一生懸命に話をする転職者は印象が良いものです。
しかし、一方で馬鹿正直に話してしまうと、営業先や社内での振る舞いに不安を持たれてしまうので注意が必要です。
3. 面接でのウソがトラブルの元?
正直稀なケースですが、面接でのウソがトラブルになる場合もあるようです。
長期間の休職期間の事言わなかったために内定取り消しなどは、稀に聞きますね。注意してください。
転職理由はなぜ聞かれるの?2つの理由
そもそも、なぜ面接官は退職の理由を質問してくるのでしょうか?
面接官が退職・転職理由を質問してくる2つのポイントをみていきましょう。
すぐに辞めてしまわないか?
企業側は、内定を出す転職者にできる限り長く勤めて欲しいと考えています。正直面接官は、退職の理由の中にはネガティブな理由もあると知ってはいますが、自分勝手で簡単に仕事を辞めてしまうと捉えられると、「入社後、すぐに辞めるのでは?」とマイナスに評価されてしまいます。
会社や周囲のせいにする「他責」のクセがある?
私を含めて、多くの採用担当の方が「最も採用したくない転職者は他責思考が強いタイプ」と口を揃えて言います。
※ここでいう「他責」とは:今の上司の下だと売上重視でお客様に寄り添った提案ができない。今の会社だと結果を出しても評価制度が悪いから給料で差がつかない。等の自分せいではなく会社や周りのせいにする人のことです。
確かに、どこの会社にも気が合わない上司や考えの合わない会社の文化があります。他責思考が強いと評価されると、入社してもすぐに辞めてしまうだけでなく、周囲のメンバーにマイナスな影響を与えてしまう可能性が非常に高いため、不合格になる可能性が圧倒的に高くなります。
本当に注意してください。
転職・退職理由をポジティブに表現する3ポイント-事例アリ-
続いて、退職の理由を「正直&ポジティブ」に表現する3つのポイントをお伝えします。
また、下記の3つのポイントを抑えることで面接通過率がグッと上がります。
- 現職の入社理由を書き出す
- 不満を入社理由に合わせてポジティブ言い換える
- 退職理由を応募企業の志望動機に繋げる
下記にAさんの事例を上げるので、自分ならこう表現してみよう!と考えながら読んでみてくださいね。
Aさん(男性29歳)
現職:旅館
業務内容:主に夕朝食のサービス、客室清掃
退職したい理由:3年間働くが、給与が上がらないこと、また女性ばかりの環境で人間関係に疲れたこと、サービスばかりで将来の自分が想像できないことの3点応募企業:webマーケティング
業務内容:物販のサイトを作成し、クライアントの商品をプロモーション&販売
Aさんの相談に乗った際には、退職したい理由が「他責」の思考でした。また希望先も異業種ということで、なかなか難しそうに思えますよね。
それでは、ポジティブに話す3ポイントに当てはめて考えていきましょう。
1. 現職の退職理由を書き出す
Aさんの旅館に入社したかった理由を聞くと「旅館を通じて地方の魅力とお客様をつなげて、地方の魅力を知って欲しかったと。静岡の旅館だったので「お茶」という地方の魅力をさらにお客様に伝えたい!そのため旅館で「お茶」体験のコンテンツを創って集客と体験をしたかった。」と話してくれました。
<Aさん>
私は、旅館を通じて地方の魅力とお客様をつなげて、地方の魅力を知って欲しいと考えて前職に入社しました。
2. 不満を退職理由に合わせてポジティブ言い換える
退職したい理由は下記のように「他責」思考のネガティブな理由ですが、「入社理由の障害となるもの」として話すことで、前向きに伝えることができます。
まずはAさんのネガティブな理由を確認しましょう。
Aさんのネガティブな理由
・給与が上がらないこと
・女性ばかりの環境で人間関係に疲れた
・サービスばかりで将来の自分が想像できないこと
続いてAさんの現状の不満を、「入社理由の障害となるもの」として表現してみましょう。
<Aさん>
私は、旅館を通じて地方の魅力とお客様をつなげて、地方の魅力を知って欲しい!と考えて前職に入社しましたが、それができなくなってしまったからです。前職は想像以上に年功序列の風土が強く、評価される業務は夕朝食のサービスの質だったので、地域魅力のコンテンツで集客の成果をあげても認められないケースがほとんどでした。
※上記では、「女性ばかりの環境で人間関係に疲れた」を表現に含めていませんが、「入社理由の障害となるもの」に当てはまらない場合は無理に使う必要はありません。
3. 退職理由を応募企業の志望動機と連動させる
ここで退職の理由を説明するだけでなく、応募企業への志望動機に繋げてください。前職の入社理由が一貫して続いていることを説明することで、プラスな印象を与えることができます。
それでは、Aさんの入社したい企業(ゴール)をもう一度確認しましょう。
応募企業:webマーケティング
業務内容:物販のサイトを作成し、クライアントの商品をプロモーション&販売
ゴールに繋がるように退職理由を正直&ポジティブに表現していきましょう。
<面接官>
あなたの転職理由を聞かせてください。<Aさん>
私は、旅館を通じて地方の魅力とお客様をつなげて、地方の魅力を知って欲しい!と考えて前職に入社しましたが、それができなくなってしまったからです。前職は想像以上に年功序列の風土が強く、評価される仕事はサービスの質だったので、土地のコンテンツで集客の成果をあげても認められないケースがほとんどでした。働くステージを旅館からwebに変えて、さらに多くの顧客に対して商品の魅力を伝えることで、集客と販売の成果を正当に評価される企業に転職したいと考え、貴社を応募しました。
上記のように、Aさんの退職理由を正直&ポジティブに伝えることで、面接官の印象をプラスにすることができますね。
ちなみにAさんは、転職を合格させ現在は会社でトップの成績を叩き出しています。
異業種・同業転職でも、このポジティブに表現する3ポイントを抑えるだけで、通過率がグッと上がりますので、あなたの経験を一度紙に書き出して整理してみましょう。
また、転職(退職)理由は面接プロセスで聞かれるタイミングも大体決まっているので下記の記事を参考にしましょう。