ポジショニング思考 | 内定から逆算する『自己分析』

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就活を進めていく上でほぼ100%の学生が『自己分析』を行うと思います。何故なら全ての就活サイトや就活本において『自己分析』の重要性を書いている為です。私も『自己分析』は重要であると考える一方で、大きな問題も有ると感じています。それは『自己分析』にはゴールが無い事です。

就職活動は時限が定められています。有限な時間を如何に効率良く進めるかも重要な進め方の一つです。その中で今回は、内定から逆算する『ポジショニング思考』について解説を行います。

ポジショニング思考とは、ゴールのない自己分析に時間を割き自己満足するのではなく、内定を取りたい企業の採用計画を理解した上で、自己分析を行い、就活を戦う武器(話すネタ)を探す作業を効率よく行っていく思考です。

ゴールの見えない自己分析、言い換えると哲学者の様な自己分析に浸るのではなく、企業の『採用』を理解した上であなたの採用される枠(カテゴリー)を把握し逆算的に準備をしていくことでより効果が高い対策をおこなっていきましょう。という思考です。

このポジショニング思考を理解するためには、『採用計画』をざっくりで良いので理解しておく必要があります。ですので、今回の解説では以下の二部構成で進めていきます。

1, 前提としての『採用計画』の考え方
2, 具体的な『ポジショニング思考』の考え方と自己分析の立ち位置

1, 前提としての『採用計画』の考え方

あなたは企業が採用活動をおこなう背景を少しでも良いのでイメージできていますか?当たり前のことですが、就職活動は企業側からみれば『採用活動』。その採用活動は経営計画が元になり、採用枠が存在します。

詳細については理解する必要はありませんが、全体像のイメージを持つことは必要です。具体的には以下の3点を解説していきます。

1-1, 採用計画は『経営計画』の逆算から作られる
1-2, 企業が従業員に期待するのは『業務』の全う
1-3, 採用計画はバランス。『採用枠』の理解

1-1, 採用計画は『経営計画』の逆算から作られる

まず就活生は企業の『採用計画』という枠組みの中で勝負をしているという認識を持って下さい。企業とは学生の採用を行う過程で必ず最初に『採用計画』を策定し、その計画に基づいて『どのような学生を何名採用するか』という採用活動を実行します。

この『採用計画』を策定する際の土台となるものが『経営計画』になります。『経営計画』を分かり易く説明すると『企業の目標』です。例えば「3ヵ年掛けて企業をこんな形にしたい。売上でプラス100億円。これを達成するぞ!」みたいなものです。

この「3年で売上100億円プラス」という経営計画/企業の目標に対して、人事部が「3年で売上100億伸ばすの為にどれくらいの人員が必要かな?どんな人が必要かな?」と具体的計画に落とし込んだものが『採用計画』です。

※Point 経営計画/企業の目標に対して、人事部が具体的計画に落とし込んだものが『採用計画』

1-2, 企業が従業員に期待するのは『業務』の全う

次に理解が必要なことが、企業が従業員に期待することは『業務』の遂行。

『経営計画』の達成は企業の行う『事業』を手段に行われます。そして事業を構成するのは従業員一人一人の『業務』となります。要は『経営計画』の達成は従業員の一人単位に与えられる『業務』を全うする事が重要になります。

前項(1-1, 採用計画は『経営計画』の逆算から作られる)を踏まえて全体像をイメージすると、以下の4つ。

1, 企業は持続的成長の為『経営計画』を策定する
2,
企業が『経営計画』を達成する為の手段=『事業』
3, 『事業』を分解し、一人一人の従業員単位に与えるものが『業務』
4, 従業員一人一人が与えられた『業務』を全うする事が『経営計画』の達成に繋がる

そして就活生とは『経営計画』を土台として策定された『採用計画』に基づいて採用されます。結果的には、企業は就活生に対して入社後の『業務』を通じた活躍による、経営計画の達成を期待しているのです。

1-3, 採用計画はバランス。『採用枠』の理解

『採用計画』に関して最後の解説は『採用計画はバランス。採用枠の理解』です。

前項でも解説しましたが、就活生は企業の『採用計画』に基づいて採用されています。この『採用計画』はおおまかな人数のみを計画するのではありません。

「どの部門に何人くらい必要か?」
「その部門にはどんな能力が必要か?」
「それであれば採用面接ではこんな能力が高そうな学生をターゲットにしよう!」

上記の様な形で部門毎に採用ターゲットとなる学生像を明確にし、面接の評価の仕組みを作成します。

この評価の仕組みを作る過程で重要になるものが入社後に携わる『業務』になります。そして『業務』とは多岐に渡る為、必ず採用計画の段階から入社後の配属を想定します。

ここで、具体的な例を見てみましょう。私がいた銀行の例です。

私の銀行では当時、総合職約400名の採用を目標としていました。この400名について学歴やカテゴリーでかなり細かく分類されていました。

学歴で言えば東京大で約20名、慶應約40〜50名、早稲田約40〜50名、MARCHは合わせて約50名の様な形で具体的な大学毎の採用目標も決まっていました。更にその中で、グローバル枠は約20名(帰国子女や海外大学)や体育会枠約100名、理系枠約30名などが細かく分類されています。

これを入社後の人事配置まで想定すると、ざっくり以下の様な形になります。

・高学歴:本部中心(経営企画など)
・中堅私大や体育会:営業中心
・グローバル枠:海外拠点配属想定
・理系枠:フィンテック関連事業配属想定

上記の様に、採用計画の段階から入社後の配属なども加味した上で人事部は採用/面接を行います。

学生がイメージしがちなことは以下のイメージが多い様です。

「高学歴のみを採用する」
「本部人材を採用する」
「営業特化人材を採用する」

しかし、上記の様な採用枠の設計ではありません。企業全体が成長する様に様々な事業と業務に基づいてバランス良く採用を行うのです。

2, 具体的な『ポジショニング思考』の考え方と自己分析の立ち位置

後半部分(ポジショニング思考)の考え方を通じて、学生は何を考えて選考に臨むべきかを解説していきます。

2-1, 面接官が何を期待しているか?を予測する。
2-2, 予測を踏まえて自分の『ポジショニング』を逆算し自己分析で深める

2-1, 面接官が何を期待しているか?を予測する。

面接中に面接官が何を期待をしているかを予測するクセを身につけることは大切です。

前半部分の採用とは「入社後の配属を想定して行う」を踏まえると、学生は「闇雲に自分の伝えたい事を伝える」であったり「何も考えず自己分析した結果の文章を伝える」。これらの事は時としてリスクとなる場合があります。

何故ならば「面接官の期待している事」と「学生がアピールしたい事」に乖離が発生している可能性が有るからです。

具体的な例で解説をしていきます。

例)大手メーカー

<本部採用>

ターゲット:高学歴層
優先評価項目:思考力・リーダーシップ力
採用割合:全体の約10%前後

<営業採用(採用割合全体の約70%前後)>

ターゲット:中堅学歴層以下and体育会
優先評価項目:対人インパクト(コミュニケーション力)・目標達成力
採用割合:全体の約80%前後

<専門職採用(研究開発)>

ターゲット:理系学生
優先評価項目:スキルマッチ(研究内容との親和性)
採用割合:全体の約10%前後

採用とは上記の様な形で採用割合やターゲット学生の選定。その際の評価の仕組みをあらかじめ作成します。

この場合、例えば学歴が中堅以下の学生に対して企業が期待するのは『営業』という業務での活躍となります。その中で学生が『資格勉強』や『アルバイトでの業務改善でマニュアルを作りました』の様な話しをされても『営業』の活躍を想像しにくいかもしれません。

面接とは『学生』と『面接官』の二人で行うコミュニケーションです。『学生』が一方的に発信するのでは無く。『面接官』が『学生』に『何を期待するのか?』を一度予測する。そして、『相手の立場になって考えてみる』事が非常に重要です。そうする事で面接の戦い方が変わってくると思います。

2-2, 予測を踏まえて自分の『ポジショニング』を逆算し自己分析で深める

企業の採用活動とは常に『活躍する可能性の高い』学生を獲りたいと考えています。

『活躍』とは『業務』を手段として達成されます。その為、面接官の期待予測をする上では「自分が入社後にどんな業務に携わるのだろうか?」という視点だけでは不十分です。

上記に加えて「その業務には何が求められるのか?」まで考える。思考する。予測する事が重要です。

その中で自分のPRポイントやガクチカを作成する為の自己分析を『逆算的に』行う事が重要です。

仮に、あなたの学歴や学部などから入社後、最初に期待されるのが『営業』と予想をした際に、あなたの過去の経験の中から『営業』という業務に活かせそうな経験が無いか自己分析を通して探していきます。(『目標達成した話』『第三者と深い信頼を築いた話』に繋がる経験など)

もし『目標達成した話』『第三者と深い信頼を築いた話』に繋がる経験がなければ面接で『営業』としての適正を高く見せる為に、人一倍の面接の練習をして『コミュニケーション』の高さをアピールする必要があると考え、分かり易い文章を作り込む事で『言語化能力=顧客への提案力の高さ』を面接官にアピールする。

この様な視点が必要になります。

何度もお伝えしますが、『自分発信』の自己分析だけでは無く、『面接官目線』の自己分析を行い、足りない要素を準備する。この繰り返しにより、面接官の期待する水準に辿り着き。内定率を上げる事に繋がると考えています。

最後に

面接とは常に『学生』と『面接官』の二つの登場人物の上で成り立ちます。この登場人物の大きな違いは『面接官』側に『採用の決定権』という権利がある事にあります。多くの学生はこの権利を持つ『面接官』の立場を考えず、自分の話したい事を一生懸命話し、落ちてしまっています。

闇雲に自己分析を行うのでは無く、「この企業だったら入社したら自分に何を期待するのだろう」と逆算的な視点を持ち「その期待に応えられるようなイメージを抱かせられる様な『ガクチカ』や『PRポイント』は無いかな?」と考えてみて下さい。

学生の皆さんが数年後携わる仕事も同じです。相手の立場になって考えてみる。その一手間が自分の『ポジション』を明確にし、内定率を引き上げる事に役立つと考えています。

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