こんにちは。ただの元人事です。
例年「自己PRの強み」の設定について質問が多いので、面接官に活躍を想起させる自己PRにおける”強みの設定”について解説していきます。
目次
はじめに
この記事でお伝えする”強みの設定”の方法は、私がメガバンクや大手IT企業の面接官をする中で「内定を手にするレベルの就活生」の共通点を言語化したものです。
(具体的には、面接の中で行きたい理由だけでなく、活躍できる理由を言語化して面接官に伝達することができるレベル。)
企業は会社や商品のファンを採用したい訳ではなく、入社後に活躍してくれる人材を確保したいと考えて採用活動を行っています。
就活は人生を探す分析ではなく、『内定』を取る為の分析が大切。就活は自分らしさ伝える活動ではなく、あなたを徹底的に売り込む活動。「求める人物像・業務に必要な能力」から『逆算的』に経験を切り取り活躍を想起させることがキモ。価値観や視座は変化していくから、今は内定に集中した方が良いよ。
— ただの元人事@裏垢 (@aya_jinnji) March 2, 2020
この視点を踏まえて、面接官に活躍を想起させる為の「業務から逆算する自己PRの強み設定」について解説していきます。
自己PRの”強みの設定”
1, 多くの就活生がやりがちな強みの設定
「内定」とは企業で活躍する可能性が高い人に出す事が採用の本質です。その為、就活生は面接の中で「自分を売り込むプレゼン」をしなくてはいけません。
自己PRとはその「自分を売り込む」手段の一旦を担っています。
何故ならば、自己PRとは「自分の強み(良さ)」を過去の経験から表すだけでなく、本来はその延長線上に「私の強みは御社の仕事でも活かせる。だから活躍する可能性がある。だから採用すべき」まであるべきです。
就職活動は会社にあなたらしさを伝える活動ではなく、あなたを徹底的に売り込む活動。独り善がりの自己分析の結果の"強み"でなく、会社が『有益と判断する強み』を君なりに仮説し、面接というプレゼンの場で仮説を証明し、面接官に納得させる必要があるよね。
— ただの元人事@裏垢 (@aya_jinnji) January 28, 2020
一方で多くの学生は単純な「自分の強み」の表現のみに留まっています。具体的には「自分の過去経験を振り返り。自分の過去経験の延長線上にある。自分が話したい強み」に基づいて自己PRを行います。
これで完結してしまった場合、企業側、採用する側の目線は無く「この強みって仕事で活かせますよね?」と売り込めない。企業の求めるものと”ズレた”強みとなってしまう可能性があります。
これまで採用する側、採用される側の支援を経験してきて「会社は活躍し貢献してくれる人」を求めているのに、採用される側は活躍根拠を度外視して「素」のままの自分を見て欲しいと、企業の求める人物像や業務で求められる能力を無視してPRしがち。この『ズレ』を理解し逆算的に訴求できると強いよね。
— ただの元人事@裏垢 (@aya_jinnji) February 16, 2020
2, 強みの設定は業務理解からの逆算
自己PRの強みは、面接官に業務で貢献しているイメージを持ってもらう為に、業務から逆算すること。これが大切な要素となります。
言い換えると、自己PRでは「私の強みは○○です。(これは御社でも必ず求められる要素ですよね?だから貢献できる可能性が高いと考えられます。)」とイメージさせる必要があります。
例えば、業務において様々な部門の人の協力を得て顧客課題にチャレンジする企業に対しては、以下の話はミスマッチに捉えられる可能性があります。
『私の強みは困難な壁に対して必ず努力し乗り越えられます。例えば受験勉強で留年した時、例えば部活で大きな怪我をした時。必ず諦める事なく努力し、乗り越えて来ました!』
一方で自己PRが『周囲を巻き込んで成果を挙げてきた話』であれば業務との親和性、再現性を想起する事が出来ます。
要は志望する企業の業界レベルだけでなく、業務レベルを映像化できるまで情報収集し、業務から逆算的に強みを設定する。このプロセスが重要なのです。
3, 具体的な業務理解方法
企業の説明会だけでは業務理解は不十分です。企業の説明会の多くは学生を集客する為に、地味な業務の話よりも事業の話や、一部のキラーストーリーを説明会で話すことが多いです。
そこで、就活生は説明会以外で業務理解を深める為の情報収集を行う必要が出てきます。
3-1, 採用ページ(社員紹介・仕事紹介)
まずは採用ページの社員紹介や仕事紹介から業務のイメージを深めていきましょう。オススメな箇所としては社員紹介や仕事紹介のページ。(中途採用のページにもヒントがたくさん詰まっているのでチェックしておきましょう)
(引用:KDDI採用ページ)
3-2, OB訪問と面接の逆質問
次にOB訪問や面接の逆質問を活用した業務理解の方法です。
OB訪問は勿論ですが、面接の逆質問でやりがいを聞いて時間を浪費してしまう人も多いです。会社の業務理解を深めるチャンスなので、以下の質問を通じて業務理解を深めていきましょう。
✔︎ 入社をしてどんなお仕事をしていたか?
✔︎ 案件として具体的に教えてください
✔︎ 案件はどうして上手くいったのか?
✔︎ 仕事はどういう人が活躍している?
✔︎ どんな能力が求めらるか?
これらの質問を通じて業務理解を深め、活躍を想起させる為にどんな強みの設定が必要なのかを何度も考えていきましょう。
4, 面接官ウケする強みの事例
面接官ウケする強みについては一般的な業務において”汎用性”の高い。即ち、様々な業界の様々な仕事で求められる強みとして3つの事例を挙げます。
4-1, 課題解決力
社会における多くの仕事は必ずといっていいほど「課題の発見⇨解決」で成り立っています。そこに収益が発生します。
だからこそ「課題解決力」のような強みは多くの企業の多くの業務で汎用性が高く、自分を売り込む上でも使い易い一例です。
4-2, 目標設定と逆算する力
数字を追う仕事(営業やマーケティングetc…)とは常に目標と達成の為の逆算で成り立っています。
年間目標が1億円の収益であるとすれば”なんとなく”1億を目指しません。1年後の1億収益達成を見据えて「半年計画/3ヶ月計画/1ヶ月計画」を立てながら一週間の行動予定に落とし込まれます。
その為、学生の時から物事に取り組む際に”なんとなく”取り組むのでは無く、一度目標をしっかり設定し、その目標に対してどう逆算的にアプローチしたか。というエピソードとそこから派生する強みは非常に入社後の業務に結びつき易いものです。
4-3, 周囲を巻き込む力
企業規模が大きくなればなるほど、仕事とは一人では出来ません、時には関連部署、時には関連会社、そして顧客、上司、様々な利害関係者を巻き込みながら全体で成果を挙げる事も多々あります。
学生の時に自分一人だけでなく多くの関係者を巻き込み、その中で自分の役割を全うした”リーダーシップ”経験は業務を含めて必ず売り込み要素のある強みとなります。
まとめ(解説動画)
繰り返しになりますが、自己PRはあなたの経験の延長線上から強みを探すのではなく、業務から逆算して設定することが重要です。
文章では伝えきれないことも多いので、2021/01/04(月)に「自己PRの強みの設定」をインスタライブでさらに詳しく解説しています。
アーカイブを視聴したい方は、LINEのアーカイブで視聴可能です。